無垢材・一枚板などの木材とオリジナル家具|木の店さんもく 木の店さんもくは、岩手県一関市で1964年に創業した木材やオリジナル家具などを販売している木のお店です。地元岩手を始め、国内産・海外産の無垢材、一枚板、銘木など豊富に取り揃えております。当店自慢の木材を使ったスピーカーや時計などのオリジナル家具の販売、ご自宅や店舗に合わせたオーダー家具の制作も承っております。

脇役の材料ほど吟味しましょう【下駄箱製作記】

下駄箱製作の依頼

 

 

 

下駄箱、シューズケースと言えば

オシャレな響きがしますが、

 

 

 

杉の一枚板を使って和の雰囲気を持たせた感じだと

 

やはり下駄箱と言った方がしっくりくるような。。

 

 

 

 

 

 

打ち合わせは一年前から

 

 

そんな下駄箱のご依頼をいただきまして、

 

お客様とお話することができました。

 

 

 

 

そしてお宅に伺い下駄箱を設置する玄関を拝見して

 

希望の大きさを確認して

 

なんとなくイメージができかけたのが

およそ1年前でした。

 

 

 

 

 

 

コンセプト

 

 

お客様からは

玄関の雰囲気に合わせた和のイメージ。

 

そこにプラスアルファ

もう一歩何か、、、、的な感じのご希望がありました。

 

 

 

自分もそうそう! 

ととても共感できるポイントです。

 

 

 

イメージを頭の中に、

そして

いろいろ材料を眺めながら

 

イメージを具体化していくのが大変なのですが、

 

 

振り返ってみると

一番楽しい時間でした。

 

 

 

 

 

材料選び

 

 

下駄箱の大きさが

タテ180㎝、ヨコ160㎝と

かなり大きなサイズ。

 

 

材料は杉を使うことになったのですが、

 

メインとなる板は側板と全面の建具扉の鏡板に

印象的な板を使いたい。

 

 

 

こちらの一枚板を第一候補として削ってみました。

 

躍動した杢ですが上品そうです。

 

 

 

 

側板に使う予定の杢の動いた杉板材

天然杉板

 

 

削ってみると

イイ感じ!

 

天然杉板

 

 

 

側板の見える板をこの一枚板にします。

 

メインが一枚決まると

材料はどんどん決まっていきました。

 

 

杉板

 

 

 

波のような表面の板は扉の一部に使おうを考えています。

 

 

 

 

 

 

 

建具が重要

 

メインになる鏡板などを

収める額縁材

鏡板を

引き立てるために使われる

建具材は

とても重要で

材料も吟味しなければなりません。

 

 

建具に使う杉材

 

 

杉建具材

 

 

 

扉の周りに使う額縁を建具(たてぐ)材と言います。

 

細いものなので、

一枚板に比べると印象がうすく

あまり重視される部材ではないのですが、

 

 

実はこの建具によって

全体の印象が決まるといっても過言ではないほど

 

建具は重要なアイテムなのです。

 

これは住宅にも同じことが言えます。

 

 

 

 

 

 

建具、何が重要?

 

 

建具で重要なのは、何をおいても色です。

 

赤がいいとか白がいいとか黒がイイとか

そうではなく、

 

”統一された色”

これが大事なのです。

 

 

主役の鏡板を美しく

印象的に見せるための

額縁(脇役)に徹するのが

建具の役割です。

 

 

 

そのために

柾目でありかつ赤身材であるということが

求められます。

 

 

 

 

赤身の柾目材

 

赤身の柾目材。

 

この材料を取るためには

大きな原木が必要になります。

 

 

小さく細く、目立たないところですが、

建具材には巨木が条件になります。

 

 

巨木からの材料ですので、

費用もそれなりにかかるのです。

 

 

その建具があるおかげで

鏡板などを遊び心たっぷりに

派手にしてみたりしても、

 

その家具、またはお部屋の空間がピシッと決まります。

 

 

 

 

職人さんとの打ち合わせ

 

 

 

杉板材

 

 

 

材料の選定と同時進行に行うのが、

職人さんとの打ち合わせです。

 

 

 

こちらのイメージを伝え

この材料を使ってほしい旨を伝えるのですが、

 

職人さんの頭の中で

 

”どのように造るか”

 

 

いわゆる、

 

”おさまり”の話になっていきます。

 

 

 

職人さんから

「これにコレを使うと、こうなるよ。」

 

「ここでこれを見せると、こちらはこう見えるよ」

 

などの話がでてきます。

 

 

自分がイメージしてたことを具体的に伝えられ

イメージが崩れることがよくあります。

 

 

 

そして

またいちからイメージし直したり、職人さんからのアドバイスで

変更になったり、

 

思いがけずステキなアイデアがでて喜んだり。

 

 

とても勉強になり

エキサイティングな時間です。

 

 

 

 

扉の鏡板になる杉板と波のある杉板

 

 

杉波板

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

躯体が出来上がる

 

 

 

だいぶ形になってきました。

 

 

下駄箱躯体

 

 

 

大枠の部分ができあがり、

 

建具の事や

細かい部分を

その都度打ち合わせして再確認しながら

 

 

職人さんにかたちにしてもらい

作業を進めていきます。

 

 

 

 

オイル塗装

 

 

 

 

職人さんのところでの作業が終わり

下駄箱が搬入されてきました。

 

 

下駄箱塗装前

 

 

 

これから塗装に入ります。

 

 

下駄箱塗装

 

 

 

 

 

 

 

植物油の自然塗料オスモカラー

 

 

木の店さんもくでは

 

塗装は

 

植物油が主原料の「オスモカラー」を

 

長年採用しています。

 

 

 

下駄箱背面を塗装中

 

 

オスモカラー塗装

 

 

 

塗装が終わり

 

下駄箱の内部の棚板を取り付けていきます。

 

 

下駄箱内部

 

 

 

内部の棚板も杉板です。

 

 

下駄箱内部

 

 

 

 

建具のはめ込み

 

 

下駄箱建具はめ込み

 

 

 

建具をはめ込んで

ようやく完成です。

 

 

 

 

完成、そして納品

 

 

長い道のりでしたが

ようやく完成。

 

 

そしてお客様のお宅へ納品となります。

 

 

玄関に無事おさまりました。

 

 

下駄箱

 

 

高さ180㎝

横幅160㎝

奥行40㎝

 

 

二枚引戸、鏡板は杉一枚板(赤白材) 扉、杉板と波模様の板

 

 

 

下駄箱正面

 

 

 

 

下駄箱建具

 

 

 

扉の建具にはネズコ材を引き割ったヘギ框材

 

 

扉建具

 

 

 

ネズコ材のヘギ割りの建具

 

 

ネズコ建具

 

 

 

 

 

下駄箱上部を欄間にしてトチ一枚板を欄間幕板にしています。

 

 

トチ幕板

 

 

 

 

 

メインの側板はここに使っています。

 

 

下駄箱

 

 

 

 

 

スリッパ掛け いろいろ悩みましたが、

 

カリン材と扉に使ったネズコの建具材、

 

黒い部材はウェンジタガヤ

 

 

 

スリッパ掛け

 

 

 

 

 

 

スリッパ掛け

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

 

長くお待たせして

 

 

さぞ首を長くしてお待ちいただいたでしょう

 

下駄箱が完成しました。

 

 

納品となり、

お客様にも大変喜んでいただけました。

 

 

 

 

今回の下駄箱はほとんどが杉材で

 

すべてが無垢材

そして着色を一切しない

 

オイルのクリアー(透明)仕上げです。

 

 

 

樹齢の高い杉材を

ふんだんに使っているので、

 

年を重ねるごとに無垢材の中から

 

艶の成分が少しづつ表面に

渋さ、深みとなって表れてきます。

 

 

 

 

経年変化は住んでいる方には

ほとんどわからないでしょう。

 

 

数年が過ぎて

この画像を見たときに

材の深み具合に驚かれるでしょう。

 

 

そして

またずっと毎日の生活の中で家族とともに幸せに

暮らしていくことを祈っています。

 

 

 

 

 

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