無垢材・一枚板などの木材とオリジナル家具|木の店さんもく 木の店さんもくは、岩手県一関市で1964年に創業した木材やオリジナル家具などを販売している木のお店です。地元岩手を始め、国内産・海外産の無垢材、一枚板、銘木など豊富に取り揃えております。当店自慢の木材を使ったスピーカーや時計などのオリジナル家具の販売、ご自宅や店舗に合わせたオーダー家具の制作も承っております。

一枚板のことを英語で説明しようとするとややこしい世界だった【調べたことのまとめ】

こんにちは、木の店さんもく、店主の近江です。

 

木の店さんもくには、たまに外国のお客様が来店されたり、

海外に一枚板を発送してほしい、というご依頼もあります。

 

以前、ヨーロッパの国に一枚板を発送した時には「燻蒸(くんじょう)」という防疫処理の手続きがあったりと、大変でした(板から虫が出てきた場合、現地の生態系に悪影響を与えないようにするため必要とのことでした)。

 

 

 

そんなこともあって、何か質問を受けた時に備えて、一枚板や木材全般について、

基本的な単語については、世界的になんとなく通じそうな英語でも言えるようにしておいたほうが良いのではないか、

と思うようになり、たまに自分で調べたり、詳しそうな人に聞いてみるのですが、

これが一枚板同様、一筋縄ではいかない世界のようです。

 

 

Treeの先から急に難しい世界になる!?

 

まず大きい世界から眺めていくと、遠くに山(Mountain)があって、そこには森(Forest)があります。

森ほど大きくない木の集まりである林は、英語ではWoodsと呼ぶようです。

一本一本の立木の状態のものは、Tree。ここまでは、中高の英語でなんとなく習った記憶があります。

 

 

 

話がグッとややこしくなるのは、Treeを切り倒した後です。

 

ごろごろ地面に転がっているものは、Timber、Log、Woodと、様々な呼ばれ方をするようです。

 

これは、「その木を眺めている人が何を考えているか、何に着目しているか」で変わってくるらしく、

Timberと呼ぶ人であれば、そこから一枚板を取れる「原木」をイメージしている、

Logと呼ぶ人であれば「枝打ちされた細長の丸太」をイメージしている、

Woodと呼ぶ人であれば「何かの材料としての木材」という「概念」をイメージしている、

という具合に、変わってくるようです。

 

ですから、このゴロンとしたものには、複数の名前があるということになるようです。

 

日本語でも立っている伐採前を立木「たちき」や「りゅうぼく」と言ったり、

原木(げんぼく)のことを丸太(まるた)といったり、

根本の方から一番玉(いちばんたま)、二番玉、三番玉、末玉(すえだま)と

同じ形状の丸太の呼び名はたくさんあります。

 

 

原木の各部、英語で何て言う?

 

今度は原木をじっくりと眺めてみます。

下の写真の後ろに並んでいるたくさんの丸太は、

ログハウスを作れそうなかたちの丸太にも見えるので、Logと呼ぶ人が多いのかもしれません。

しかし、まんなかに転がっているごんぶとの原木は、

定義によってはLogと呼ぶのが微妙なこともあるようです(こだわらない人は普通にLogと呼ぶこともあるようでした)。

 

 

 

 

それはさておき、幹はTrunk、二股のような分岐はFork、枝はBranch、

枝は枝でも腕のような太さになればLimb、皮はBark、白太はSapwood、

心材はHeartwood、心材のなかでも芯の部分はPithなどと、日本語と同じように、細かい表現が全部あるようでした。

 

人間と木のかかわりの歴史は非常に古いため、どの言語でも木に関する言葉はものすごく多いのだそうです。

 

 

一枚板について、英語でどう説明する?

 

ここで、製材した後の一枚板を眺めてみます。

 

そもそも「一枚板」という表現自体も、Slab wood、Solid wood、one-piece boardなど、様々あるようでした。

 

 

 

 

Slabというのは、本来は「原木から切り出したいちばん外側の板」のことで、

片方が皮付きの半円、片方がフラットの板を指した、という説があるようですが、

現代では「大きくて長めの一枚板」ならSlabと呼ぶことが多いようです。

 

Solid woodのSolidという表現は、切り出してからはラミネートなどの

「加工・エンジニアリング」はしていないというニュアンスがあり(その意味で「無垢材」の「無垢」という意味にも近い)、

One-pieceであれば「集積材ではない・ひとつながりの・一体型の」というニュアンスがあるようです。

 

すると木の店さんもくで扱っている床柱や框のような「角材・柱材」は、

Slabと呼ぶのは微妙ですが、Solid woodではあり、one-pieceでもあります。

 

接ぎ合わせの一枚板は、One-piece boardとは呼びにくいのかもしれません。

ただ、さんもくの接ぎ合わせ板の原材料は、板自体はsolid woodであるとは言えます。

 

一枚板を細かく見ていくと、元口はBottom end、末口はTip end、杢(=模様)はFigureといい、

ストレートカットせずに残されている耳はLive edge(活き耳)といった、面白い表現になるようでした。

 

節はKnot、入り皮は「皮のポケット」という感じでBark pocket、

板目はFlat grain、柾目はVertical grain、鬼皮と白太のあいだにある薄い層はCambium、木口=切断面はCross sectionなどと言うようです。

 

「割れ」についての表現も、とても多いようです。

縦割れっぽいものをSplit、checkなどといい、目割れに近いものをShakeなどと呼び分けたりするようです。

それらもさらにStar shakeとか、バリエーションがたくさんあり、とてもとても覚えきれません。

 

玉杢や鯖杢といったものも、違うたとえかたの表現にはなるようですが、

それぞれ対応する英単語はありそうでした。さすがに長い歴史を誇る世界だけあるなぁと思いました。

 

しかし、日本語と同様に、一般の方がここまで細かい表現をそもそも知らない・興味がない場合もあるので、

大体のことがわかればいいのかなと思いました。

 

 

 

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