無垢材・一枚板などの木材とオリジナル家具|木の店さんもく 木の店さんもくは、岩手県一関市で1964年に創業した木材やオリジナル家具などを販売している木のお店です。地元岩手を始め、国内産・海外産の無垢材、一枚板、銘木など豊富に取り揃えております。当店自慢の木材を使ったスピーカーや時計などのオリジナル家具の販売、ご自宅や店舗に合わせたオーダー家具の制作も承っております。

一枚板の木表と木裏をまったく同じ仕上げにはしていない理由【表裏で雰囲気の違いを楽しめます】

こんにちは、木の店さんもく、店主の近江です。

 

今日は、さんもくがお客様に一枚板を納品する際の「仕上げかた」について、少しお話したいと思います。

 

木表(きおもて)と木裏(きうら)とで、表面加工やオイル塗装に差を付けている、という話題です。

 

 

木表はじっくりと、木裏はあっさりと

 

例外はいつもあるのですが、基本的に木表面は、お客様にスギやヒノキなど、年輪のやわらかい夏目(春目)と硬い冬目(秋目)を楽しんでいただけるように「表面うづくり仕上げ」にすることが多いです。木目の年輪にに立体的な凹凸が生まれ、触っていて気持ち良くなる加工です。

 

 

機械にブラシが付いているホイールサンダーで行う浮造り(うづくり)加工の作業風景

 

 

 

 

 

 

その場合、木裏側を「うづくり仕上げ」にすることは、特殊なケースを除いて、ありません。

 

オイル塗装については、これも例外はあるのですが、お客様に納品する直前の「整え」作業で、

木表側は最終仕上げ用のオイルで3〜5回と重ね塗りを行いますが(何回になるかは板によります)、

木裏は1回だけ塗る、ということがほとんどです。

 

 

チャンチン一枚板【岩手】1640×280~340×45㎜【オイル塗装 仕上げ済み】

 

ただ、木表だけを必ずいつもじっくり仕上げるか、というとそうではなく、

板によっては「木裏」がむしろ主役になるようなおもしろいものもあり、そうした板の場合は、木裏側がうづくり仕上げで塗装もじっくり、という場合もあります。

 

下のすぎ一枚板などはその良い例で、これは赤身と白太が斑に混じりあった「源平(げんぺい)」という杢を木裏で楽しめるため、あえて木裏側をうづくり仕上げにし、じっくり仕上げた一枚になります。

 

大変珍しいすぎの一枚板【木裏】3000×460~760×38㎜

 

この個性的なすぎ一枚板については、下の記事でも詳しくご紹介しています。ご興味のある方は、こちらもぜひお読みください。お問い合わせもお気軽にどうぞ。

 

木裏なのにうづくり仕上げ?唯一無二な風景のある長尺スギ一枚板

 

 

 

両面が全く同じ仕上げだったとすると…

 

そう書くと「板の片側の仕上げ作業は、手を抜いているということなのだろうか」と思われる方も、いらっしゃるかもしれません。

 

くり一枚板【岩手】1640×420~550×48㎜【オイル塗装 仕上げ済み】

 

もちろん、そうではないのです。

 

さんもくで販売している一枚板は、お客様のお好みで、その時の気分に応じて表裏をひっくり返して、表面も裏面も楽しめるものがたくさんあります。

 

こちらは、上の写真でMacbookを置いてみたクリ一枚板の木裏です。大きく朽ちたところや、黄色いシミが見えたりと、独特なワイルド感があります。耳が逆向きになっているところも面白味があります。

 

 

 

仮に木裏と木表を「どちらも全く同じ質感・同じツヤ感」で仕上げた場合、ひっくり返した時に「表裏の違い」が大きく出てこないため面白味が少し失われてしまうというのが、私達の考え方なのです。

 

 

板の木裏側は、切断面も木表とは傾向が違います。木表とは傾向がちょっと違う、少しざらざらした感じ、素朴な雰囲気があるのです。

それをあえて木表側の雰囲気にぴったり合わせる、寄せていく必要は、ないのではないか。

ちょっと退屈な感じではないか。と考えている、とも言えます。

 

 

上のクリ一枚板も、木裏は「ほどほど」の仕上げにしておいたほうが、この面の魅力がより引き立てられるように思いました。

 

 

 

 

 

個別のリクエストは、もちろん歓迎です!

 

しかしお客様のご要望で、たとえば木表にした時に目に入る立派な耳が魅力の一枚板だけれども、これはどうしても木裏をメインに使いたい、そのため木裏側を「よりじっくりと」仕上げてほしい、という場合も、あるかもしれません。

 

そうした場合は、もちろん仕上げ方を変えられますので、お気軽にご相談いただけると幸いです。

 

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