ただの丸い柱ではないのです。【究極の木材・磨丸太】
こんにちは、木の店さんもく店主の近江です。ご覧いただきありがとうございます。
これは磨丸太(みがきまるた)といいます。
山に生えている木を切って、鬼皮を剥いただけのとてもシンプルな柱です。
それだけ聞くと、とても簡単なように思えますが、実はとても長い年月をかけて作り上げる、ある種究極の木材とも言えます。
仕上げには数十年、大変な手間暇が
磨き丸太は苗木を植えてからおよそ25~40年ほどの年月をかけて作り上げられます。
その間、下草刈りといって樹木のまわりの草刈りや、”枝打ち”といった定期的に枝を切り落とす作業など、本当に長い年月を費やして手間ひまかけて作り上げてこのような丸柱に仕上げていきます。
伐採時期も決まっていて、伐採後も枝葉をつけたまま山に寝かせて数か月乾燥させる”葉枯らし”作業をおこないます。
山からの搬出も最近はヘリコプターを使うそうです。スケールが違いますね。
玉切りされてからヘラを使って皮を剥いていきます。最近では水圧で皮を剝いていくようです。
自然乾燥させた後、磨き丸太の表面を磨いて光沢をつけていきます。
磨き丸太の名前はここから来ているのでしょうか。
昔は皮を剥いた後は滝壺の砂で磨いていたようです。
そこからさらに丸太の背中にノコを入れ”背割り”加工をして化粧面の割れを防止したり、ここに記されていない、業者さん独自の私も知らない作業がいろいろとあると思います。
一本の磨き丸太を作るために少なくともこれくらいの手間暇が掛けられています。
画像の磨き丸太は長さが10尺(3m)あり、末口の細いところで3寸7分(3.7寸 110㎜ほど)、元口で4寸(120㎜)ほどのサイズになります。
動画でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
磨き丸太の施工事例
柱や横物などを磨き丸太を組んで細工しています。
寸法の確実な角材ではなく、自然な丸、さらに末口と元口でサイズが違っている磨き丸太を組んでいくのは、大工仕事の中でもかなりの難易度があると思います。
住宅の玄関軒下に磨き丸太を2本使って柱にしています。
数寄屋風情の柔らかみがある印象の玄関になります。
4畳半以下の小さな茶室(小間の茶室)の柱に磨き丸太を使っています。
床柱は赤松皮付丸太。
玄関ホールの飾りスペースに磨き丸太を使っています。
ドアや壁面が洋風の趣がある玄関に磨き丸太を1本使っています。和洋折衷の雰囲気があります。
柱と横物の桁(けた)材にも丸太を使っています。玄関から縁側へ続いています。
リビングのフローリングと畳スペースとの敷居に磨き丸太を1本飾り柱として使っています。
食堂の入り口に少し太めの磨き丸太を使って雰囲気をだしています。
数寄屋建築の軒桁(のきげた)と柱に磨き丸太を使っています。
タイル調の壁面で洋風の趣がある玄関に磨き丸太をポーチ柱として使っています。こちらも和洋折衷の雰囲気があります。
茶室の露地(ろじ)につくった、腰掛待合(こしかけまちあい)の天井部分。磨き丸太を縦横に組み上げた施工。
磨き丸太を床の間(とこのま)の床柱(とこばしら)に使っています。
ご相談はお気軽に
木の店さんもくは一枚板の専門店としてのイメージを持たれることの多いのですが、私たちは先代より銘木店を生業として商いさせていただいており、和風建築、茶室などの数寄屋建築、和のテイストを効かせた住宅に使う木材も得意としております。
昔と違い住宅の形式も変わってきたり、さらには銘木と言われる木材が激減しており、なかなか調達が難しい世の中になってしまいました。
そのような中でもご相談いただければ、今ある材料、知識の中で面白味のあるオンリーワンの空間を演出できるような提案させていただきます。
店頭はもちろんのこと、お気軽にお電話で、またはお問い合わせフォームからでもご相談いただければ幸いです。
和の空間【床の間事例】
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一枚板はこんな風に使われています【一枚板の作品&使用事例】
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木の店さんもくは、岩手県一関市で1964年に創業した木材やオリジナル家具などを販売している木のお店です。地元岩手を始め、国内産・海外産の無垢材、一枚板、銘木など豊富に取り揃えております。
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