一枚板から生まれる「端材」の可能性

2025.04.27

木の店さんもく、店主の近江です。ご覧いただきありがとうございます。

原木から一枚板を製材したり、テーブルやカウンターを仕上げていく中で、どうしても出てしまうのが“端材（はざい）”。

一枚板の両端や形を整える際に切り落とされた部分です。↓

端材は、大きさも形もさまざま。多くは焼却処分されたり、薪ストーブの燃料として使われたりします。

でもその中には、美しい杢（もく）が入っていたり、形に個性があったりして、「捨ててしまうのは、もったいないな」と思えるものがあるんです。

何かにならないものか

すべての端材を活かすのは、現実的にはなかなか難しいかもしれません。

けれど「この端材たちに、もう一度役割を与えられないか？」という思いは、いつも私の中にあります。

できるだけ手を加えず、素材感を残したまま、シンプルに、でも何かにならないものか、端材を見るたびにそんなことを考えながら、あーでもないこーでもないと、考えを巡らせています。

”こちらは、岩手県産の栗材の端材です。

まずはカットして形を整え、磨きやすくします。仕上がりはざっくりと。

でも、それだけで少し小ぎれいになり、このままでも何かに使えそうな雰囲気が出てきます。

サンダーで角を軽く取り、トゲが出ないように表面をなめらかにします。

この小さな端材にもいろいろな味というか面白みが詰まっているように見えます。

オイルを塗ります。

オイルを塗って仕上げると、木の表情がぐっと豊かに。中には、木の中に入り皮が混じっていたりして、家具材としては難しいものもありますが、それもまた味わい。ひとつとして同じものはありません。

モノは何かに“使える”ことが大切だと思われがちですが、私は「ただ、そこにあるだけでいい」と思うこともあります。

天然無垢材の一枚板テーブルも、端材も、そこにあるだけで心を動かされる——そんな存在です。それが大きくても、小さくても、そこに使う人の想いや手が加わることで、また新しい何かになっていく。それが木の持つ、素敵な可能性だと感じています。

お店には「端材コーナー」を設けています。

カットしただけの端材を並べていますので、自由に手に取ってみてください。

種類もサイズもさまざま。岩手県産の栗・欅・オニグルミ・カエデ・キハダ・桜……高樹齢の天然杉や、黒檀・紫檀などの海外材もあります。

黒檀や紫檀は、その重さに驚かれる方も多いです。実際に触っていただければ、木の温もり、手触り、存在感を感じていただけると思います。

「もう使えない」と思われがちな端材にも、まだまだ可能性はあります。ぜひ、あなただけの使い方や楽しみ方を見つけていただけたら嬉しいです。

毎月第3木曜日には「さんもくウィーク」というセールも実施中です。「さんもくデー」の詳細は、セール前にブログ記事でお知らせしています。セール情報はさんもくのインスタでも告知しておりますので、お得な情報をいち早くゲットしたい方は、フォロワー登録をお忘れなく！↓

木の店さんもくは、岩手県一関市で1964年に創業した木材やオリジナル家具などを販売している木のお店です。地元岩手を始め、国内産・海外産の無垢材、一枚板、銘木など豊富に取り揃えております。