木の店さんもく、店主の近江です。ご覧いただきありがとうございます。

こちらは鳥海山より産出された原木がら製材された神代杉になります。↓

秋田県と山形県の県境に位置する鳥海山は神代杉や神代欅など、2500年前の大崩落によって土中に埋もれた原木がほぼそのままの姿で出土され、そこから製材された一枚板や木材などは一様に中まで黒く変色していて、独特な色味などで銘木として珍重されています。

そのほとんどが地中深くに眠っているため、これらの木が見つかるのは大規模な造成工事や土木工事の際がほとんど。

まさに偶然にしか出会えない、自然からの贈りものです。

板の中ほどは朽ちた大きな穴が開いていて、もはや一枚板とは呼べないような感じです。

縦横のサイズがおおよそ1ｍ×1.2ｍで厚みは9㎝ほどあり、小ぶりながらゴテっとした厚盤のような一枚板になります。

両面はプレーナーで平らに削っていますが、削り残りの箇所もあり素材感があります。

入荷してからすでに半年。この神代杉をどんな形に仕上げようか、まだ決めきれずにいました。

触れただけで崩れてしまいそうな朽ちた部分を、どう補修し活かすか。一度手を付けたら、泥沼のように深みにハマってしまいそうな予感もあって――。

それでも気がつけば、この板の前に立ち、じっと眺めては考えてしまう。そんな風に、ずっと思いを巡らせていました。

先日お越しいただいたお客様の目にこの神代杉がとまり、ひと目惚れのような感じでご購入いただき、そのままお持ち帰りされました。

「こちらの神代杉は、どのようにお使いになるご予定ですか？」とお尋ねすると、「いずれテーブルか何かにできたらいいなと思って」とお答えくださいました。

今はまだ、どこに置こうか、どんな形にしようかと思案中のようですが、お客様の頭の中ではすでに、この一枚板が暮らしの中でどのように使うのかはイメージされているようでした。

数日後、お客様から一枚の写真が届きました。

そこには、玄関ホールに立派に飾られた神代杉の一枚板が、堂々と鎮座していました。

家に迎え入れられ、早速特別な場所に置かれた様子が伝わってきて、とても嬉しくなりました。

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一枚板はこんな風に使われています【一枚板の作品&使用事例】
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