サワラはどんな木どんな板? 日本の食文化や暮らしを陰で支えてきたヒノキによく似た樹種【一枚板の樹種辞典】
木の店さんもく、店主の近江です。ご覧いただきありがとうございます。
本日は、木の店さんもくで取り扱う一枚板の中から「サワラ(椹)」についてお話ししたいと思います。

この「一枚板の樹種辞典」シリーズでは、樹種の特徴を図鑑のように紹介する、というよりも、私がこれまで出会ってきた「木たち」を、店主ならではの独断と偏見をたっぷりと詰め込んでお話ししようと思います。
サワラは漢字でどう書きますか
サワラは「木偏」に「甚」と書いて「椹(さわら)」と読みます。
一方で、この「椹」という漢字には「椹木」と書いて「あてぎ」という読み方もあります。
木材の世界では「あて材」といえば、繊維がねじれたり偏ったりして、まっすぐに使いにくい木を指すことが多く、あまり歓迎される性質ではありません。
しかし、私の経験ではサワラは「あて」が比較的少なく、素直で扱いやすい木という印象があります。
そのため、「椹木」を「あてぎ」と読むことには、少し不思議な感覚があります。木材業界で使われる「あて」とは異なる由来なのか、それとも別の意味があるのかもしれません。こうした漢字の由来を調べてみるのも、樹種の奥深さを知る楽しみのひとつです。
サワラは日本のどんなところに生えていますか
サワラの分布としては、日本各地にみられるようです。サワラの産地として有名なのが、ヒノキで知られている木曽地方ではないでしょうか。
江戸時代、木曽地方ではヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキの5種類を「木曽五木」として、伐採を禁じました。「木一本、首一つ」と言われるほど。無断で伐採した者は死刑とされるほど厳しいものでした。岩手県の原木市場でも出品されています。30~40㎝くらいから90㎝を超えるような巨木もたまにみかけます。
大きな穴があいたサワラ原木(岩手県の原木市場にて)。↓ サワラの原木は太くなるにつれて穴があく個体をみることが多いです。

サワラの科名は何になりますか
サワラはヒノキ科に属しています。見た目もヒノキにとてもよく似ています。しかしヒノキとの大きな違いは、ヒノキ特有の香りがサワラにはないところです。私もヒノキとサワラの違いを見極めるときは鼻を近づけてヒノキの香りがするか確認することも多いです。

サワラの重さはどんな感じですか
比重・重さは「やや軽い(気乾比重 約0.30~0.40)」とされています。
乾燥したサワラは、ヒノキよりもさらに軽く感じます。1500×800mmほどのテーブルサイズであれば、一枚板を脚の上に置いて使っても、自重があるため比較的安定します。一方、小ぶりなサイズになると軽さゆえに天板が動きやすくなるため、置くだけで使う場合は、低めのソファーテーブルや壁際に設置するカウンターやPCデスクなどの用途がおすすめです。
軽さは持ち運びや取り扱いのしやすさという大きな魅力でもありますが、使い方に合わせて脚や設置方法を選ぶことで、より安心して長くお使いいただけます。
オイル塗装前のサワラ一枚板です。↓

サワラの硬さについて教えて下さい
サワラの硬さを5段階評価で表すと★★☆☆☆。サワラは桐ほどではないものの、ヒノキよりも柔らかく、杉と同じくらいの印象がありますが、杉とは違い、建築などでは構造材には向いていないようです。
一枚板などの白太部分を爪で強く押すと跡が残ることもあります。柔らかい分、キズや汚れなどを紙ヤスリで簡単に落とすことができる、メンテナンス性の良さがあります。テーブルやカウンター、PCデスクでは、その柔らかい材面に触れて木の質感を楽しむことができます。

サワラの色味はどんな感じですか
心材は黄褐色から赤みを帯びた黄褐色、辺材は淡い白色をしています。色味も全体的にヒノキに似ていて、黄褐色から時おり赤い感じの色味の赤身となっていて、白太もある程度わかりやすい白色になっていて、赤身と白太の境も判別しやすいと思います。ヒノキの節は赤いのですが、サワラの節は赤くなく褐色に近いので、節の色もヒノキとの判別に役立つ要素のひとつだと思います。

サワラは加工性が良い木でしょうか
◎です。サワラは加工性に優れ、建築材をはじめ、家具や曲物(まげもの)など、幅広い用途で古くから利用されています。鋸(ノコ)でのカットも容易で、柔らかいためにグラインダーなどはどこまでも削れてしまうほどです。

木の店さんもくでは、サワラの一枚板は杉と同様に表面をブラッシングによる「浮造り(うづくり)」仕上げを施し、表面を凹凸に触れて楽しむことができます。

サワラの耐久性について教えてください
サワラの耐久性を5段階評価で表すと、★★★☆☆になります。サワラには耐水性・耐湿性があります。柔らかい木なので、建築の構造物のような強い力や荷重には向かないですが、一般常識範囲内での生活家具などには問題なく使えると思います。ヒノキ同様、赤身材は耐水性・耐湿性が高いので、桶やヒノキ風呂の蓋(ふた)などに使われていたようです。
サワラの経年変化について教えてください
長い年月を減ると飴色に変化していきます。木の店さんもくでは、サワラはオイル塗装で仕上げます。オイル塗装は木の呼吸を止めないため、経年によってゆっくりと味わい深くエイジング(経年による美化)していきます。
サワラは柔らかい木材ですが、年月につれてだんだん表面が締まって硬くなっていく印象もあります。さらに見た目も少しずつ色濃く飴色になっていくことが多いです。
サワラはどんな用途に向いていますか
サワラは水湿に強く加工しやすいことから、古くから風呂桶や手桶、浴室材などに利用されてきました。また、木の香りがほとんど無く食品の風味を損なわないため、飯びつや飯台、箸など、食に関わる道具にも広く使われています。割りやすい性質を生かした桶づくりにも適しているのかと思います。また、かまぼこの板などにも使われるなど、日本の食文化や暮らしを陰で支えてきた樹種です。
木の店さんもくでは、サワラは一枚板テーブル、PCデスクの天板、ソファーテーブル、カウンター、看板、テレビボード、カフェテーブル、座卓など、さまざまな用途でご提案しています。
天板を脚に載せるだけで使ったり、脚を取り外すことができるような使い方だと、一枚板の用途をさらに広げることもできるので、おすすめしています。
小さなサイズの一枚板になると自重がなく安定しないため、置くだけでは少し不安なので、壁に寄せて使ったり、場合によっては脚を固定することも含めていろいろな使い方を提案しています。
ダイニングテーブルにサワラ一枚板を使った事例です。↓ さんもくオリジナル脚「脚幸(きゃっこう)」の上に載せて使っています。

サワラ一枚板に自動昇降アイアン脚「Flexispot E7」を取り付けてPCデスクとして使われています。↓

サワラ一枚板にさんもくオリジナルアイアン脚、脚留(きゃっと)を取り付けて固定して使っています。↓

新築されたお宅のトイレ室内に手洗いカウンターとしてサワラ一枚板を取付されました。

サワラの希少性について教えてください
岩手の原木市場でもよく見かけるので、材自体はそれほど希少なものではないのですが、やはりテーブルに使われるような巾広一枚板を取れるような直径90㎝を超える原木は珍しくなったと思います。
サワラには大きくなると中が空洞になる原木があるのですが、以前製材した原木に竹が寄生していて、一枚板になったサワラの中に竹が入っているものがあり、驚きました。下の記事で詳しく紹介していますので、こちらも是非お読みください。
何がどうしてこうなった?二股から竹が生えている「さわら」の一枚板。「をかし」と「あはれ」を愉しむ茶道や華道にも【在庫あり】
サワラの価格帯について教えてください
サワラ一枚板は、木の店さんもくの一枚板ラインナップの中では、比較的低価格帯のものが多いと思います。個体差も多くあり、シンプルで淡い木目にワイルドな耳が乗って雰囲気がある一枚板などもあり、個性豊かな樹種です。
店主からあらためて一言
ヒノキが自生していない岩手県では、サワラの原木が巨木としてもたまに出てくることがあります。サワラという木は一般的にはそれほど有名な木ではないと思います。しかし毎回違った雰囲気の個性的な一枚板が仕上がり、テーブルやカウンター、PCデスクで使う人の気持ちを豊かにする素敵な木だと思います。
岩手県産のサワラ原木から一枚板を製材した動画になります。↓
サワラ材が使われた事例
木の店さんもくがこれまで仕上げ・制作させていただいたサワラの一枚板やお客様からのオーダー品の事例をいくつかご紹介いたします。詳細は各写真下の記事リンクからお読みいただけると幸いです。

サワラ一枚板×Flexispotでつくる電動昇降PCデスク 端材も活かしてソファーテーブルにより

【お客様より】ダイニングに岩手県産サワラ一枚板&オリジナル脚を使っていただきました。より

【人気のサワラ】長尺をカットして小ぶりな一枚板にしてみたより

【お客様へ納品】さわら一枚板&アイアン脚のダイニングテーブルより

サワラ一枚板のお求めはこちらから
現在木の店さんもくに在庫があるサワラ一枚板は、商品カテゴリー・サワラ(椹)からご覧いただけます。
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サワラに限らず、一枚板のご購入前のご質問、ご購入後のご相談などがございましたら、お電話(0191-21-1131)やお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
これまでの経験をもとに、できる限りわかりやすく丁寧にお応えいたします。もちろん、お店へのご来店も心よりお待ちしております。
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一枚板はこんな風に使われています【一枚板の作品&使用事例】
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オイル仕上げの一枚板 専門店|木の店さんもく 岩手
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