木曽桧一枚板×オイル仕上げ

岩手県で木の仕事を

していても

なかなか触れることが

少ない木もあります。

木曽桧もそのひとつです。

江戸時代

尾張藩により管理された

樹齢の高い

天然桧です。

当時

木曽ヒノキの乱伐による

枯渇を危惧した

尾張藩が

木曽檜の伐採規制(禁止)をしました。

木一本、首一つ

といわれるほど

厳しい規制だったようです。

桧の自生は福島県が

北限と言われていました。

桧の自生がない岩手県は

戦前から桧の植林が

始まったと聞きます。

戦後の

高度経済成長による

用材確保のために

杉とともに

桧も植林が本格的に

行われるようになりました。

最近では

岩手県の原木市場でも

ひのき原木の40㎝超えの

丸太もちらほら

見るようになってきました。

本格的な植林から

60年ほどになるのでしょう。

木曽ひのき

木曽ひのき一枚板です。

仕入れてから5年以上経ったでしょうか。

在庫展示品でしたが

汚れが目立ち

少し反りが出たので

プレーナーで削って

化粧直しをします。

木口も黒くなったので

少しカットします。

この木曽ひのき一枚板は

樹齢が200年ありました。

サイズは

2000×400~480×36㎜

決して広い板では

ないのですが、

赤身が多く

高樹齢で木目も細く

しっかり身が詰まっています。

これは

厳しい環境のもと

ゆっくりとゆっくりと

枯れずに

少しづつ成長して

育った証です。

割れの補修

木口から割れが入っていたので

パテで補修します。

木の店さんもくでは、

パテ埋めには

基本的に

瞬間接着剤と

おが屑を使って

行います。

最初に

割れたすき間に

おが屑を詰めて

その上に

瞬間接着剤を

入れていきます。

パテがすぐに固まるように

硬化剤をスプレーします。

節の割れにもパテ埋めします。

オイル塗装

桧はプレーナーで

削ると逆目が

バサバサに毛羽立つので

しっかり

サンダーで磨いて

均一にしていきます。

塗装を始めると

桧の特徴の

赤い節が濡れ色で

鮮やかに輝きます。

樹齢の高い桧なので

節も大きく

板にしっかりと

付いています。

オイル塗装された

木曽ひのき一枚板

陽の光を浴びて

細かな年輪が

浮き出ています。

まとめ

木曽桧は

樹齢が高く

目が細かいので

高級建具材として

和風建築に利用されて

きました。

岩手県では

私の経験上は

建具材というと

青森ヒバが

主流だった記憶が

あります。

今回は

巾40㎝ほどの

木曽桧の一枚板を

オイル仕上げしました。

赤身が多く

年輪が細かいので

水廻りには

向いています。

今回

こちらの桧一枚板は

洗面ボウルをのせて

手洗いカウンター

として

使われるようです。