榁(むろ)変木を仕上げる

榁(むろ)という木です。

銘木業界では

曲がったような丸柱や

山に生えている

そのままのような

皮が付いた丸太を

変木(へんぼく)と言います。

同じ種類の木でも

個性がさまざまで

存在感がある変木。

榁(ムロ)はネズミサシともいわれる木で

ヒノキ科の針葉樹です。

材はとても緻密で、

重厚です。

一枚板などで使うことは少なく

立木の姿をなるべく活かした

使われ方が一般的です。

山で立ち枯れた状態のムロの木

シャレと言います。

長年風雨にさらされた状態で

白太などが朽ち果て

カツオブシのような感じで

ギュッと身が凝縮されたような

状態になります。

磨いて仕上げていきます。

根気がいる仕事になりますが

この榁を磨いていって

仕上げていきます。

基本はサンダーで

やすり掛けのようにして

汚れなどを落としていきます。

トリミング

ところどころに

枝が出ていて

自然な感じが前面に

出ているのですが、

そのままだと

こってりし過ぎるので

余分だと思う

枝などをカットして

トリミングしていきます。

枝をカットします。

全部を目立たせるのではなく

ポイントを想定して

メリハリがつくように

枝を落としていきます。

大胆にカットしていきます。

枝のカットが

だいたい終わりました。

切り落とされた枝の破片

小さく切り落とされた

破片でさえ、

しっかり存在感を

醸し出しています。

オイル仕上げ

磨き工程が終わったので

これから

オイル塗装をしていきます。

塗装動画

濡れ色で

ガラッと印象が変わった

榁変木。

末口の枝が入り組んでいるところ。

塗装が乾いて

落ち着きました。

榁(ムロ)変木が使われた事例

飾り気のない

シンプルな玄関。

角に一本

榁を据えています。

玄関ホールに

設けられた飾り床。

飾り柱に榁をつかっています。

横物には

松シャレ木が使われています。