一枚板選びのポイント【含水率計だけでは測れないことがあります】
木の店さんもく、店主の近江です。ご覧いただきありがとうございます。
一枚板専門店などで、お店に並んでいるたくさんの一枚板から自分だけのお気に入りを探すことはとても楽しいことであると同時に、大変な労力も必要とするでしょう。
ネットやお店で実物をみて気になった一枚板や、一目ぼれした一枚板が果たして本当に問題ない一枚板なのか?
一枚板を見る力を養うことで自信をもって一枚板選びができるようになることが望ましいです。
一枚板を選ぶ時のポイント
たくさんの一枚板があってその中から自分だけの一枚板を探すとき、まずは自分の好みの形や色だったり、初めから欲しい樹種が決まっている場合もありますね。
そこは千差万別、十人十色いろいろ好き嫌いがあることで好みの分かれるところです。
気に入った一枚板を選ぶことが良いことだと思います。
一枚板は生き物です。
これからお話しすることは気に入った一枚板が見つかって購入するかどうしようか迷ったときにぜひチェックしてほしいポイントです。
そのポイントとはあなたが選んだ、その一枚板が「どれくらい動く木(反ったり割れたりする木)なのか」を予測するためのポイントです。
人工乾燥は万能か?
一枚板のテーブルやカウンターの購入を考えてる方はネットや本などである程度一枚板や無垢材のことを勉強されていると思います。
含水率計を使って15%や20%以下の一枚板を選べばいいじゃないかと思われるでしょう。
乾燥をしていないと一枚板は割れたり動いたりするということはよく言われています。
当たり前のように言われている、人口乾燥などで含水率15%以下になった一枚板は割れないのか?反ったりしないのか?
結論から言えば、まったく動かない一枚板はありません。ということです。
含水率計だけでは測れないことを知る
まず大前提として知っておかなければならないことは一枚板などの無垢材は動きます。
つまり割れたり、反ったりするということです。
大事なことは木は動く、ということを知ったうえで、反ったり、割れたりすることをどれだけ減らせるか、軽減できるかということを知ることが重要になってくると考えます。
一枚板などの無垢材は自然が創り出したものでさまざまな個性やクセがあります。
それが割れだったり、反りだったりするのです。
個性やクセが強くでるのか弱くでるのか一枚板を注意深く見ることである程度予測ができるのです。
つまり動きが少なく割れや反りが少ないと予測される一枚板があります。
含水率計で測る前にチェックするべきポイント
一枚板を購入する際のチェックポイントです。
このチェックポイントは、その一枚板がその後、動いたり割れたりすることをすこしでも少なくするためのポイントです。
そしてこのチェックポイントは針葉樹、広葉樹、または外国産材の一枚板でも共通してチェックすることができます。
【一枚板を選ぶ際のチェックポイント】
1、芯が入っていない一枚板を選ぶ
2、年輪が細かい樹齢の高い一枚板を選ぶ
3、赤身の多い一枚板を選ぶ
4、なるべく芯から遠い一枚板を選ぶ
5、冬季伐採の原木からとられた一枚板を選ぶ
6、その土地(地域)で育った原木からとれた一枚板を選ぶ
7、巾の広さと板の厚みのバランスがよい一枚板を選ぶ
1、は必須条件です。
芯が入っている一枚板はまず間違いなく割れるでしょう。そして反る可能性もとても高いです。
下の画像は大きく割れが入った、芯が入っている板になります。
2、3、4、は樹種などや個体差などがあり、経験が必要とされるところかもしれません。
しかし大事なポイントであることには変わりません。
このことに関してはより多くの一枚板を見ることによってだんだんわかってくるところかなと思います。
下の画像は年輪が細かく、赤身が多い杉一枚板です。芯からも離れています。
5、6、は見た目では判断ができません。情報として知ることしか方法がありません。
しかし冬季伐採されたかどうか、ということは後々の一枚板への影響は大きいと考えます。
また、その土地で育った原木からとった一枚板を使うことは、その木が育った地域環境が同じなので一枚板に与える影響も少なくてすみます。
7、は完全に持論ですが、経験的に一枚板の広さと厚みには樹種の違いはあるでしょうが黄金比のようなバランスがあるように感じています。
巾が広くて厚みが薄い一枚板は動きやすい傾向があります。
たとえば巾60㎝に対して厚みが3㎝は一般的な広葉樹だとその後の自然乾燥によって動きが大きく出そうなので敬遠しがちです。
だからと言っていくらでも厚ければ良いというわけではありません。樹種にもよります。
これに関してはある程度の傾向は予想できますが経験によるところも大きいかと思います。
お店にあるていど長く置いている一枚板は動きのクセがわかりやすい場合があります。お店の方に聞いてみるのもいいかもしれません。
昔は人工乾燥機なんて無かったんです。
さきほどのチェックポイントのほとんどは昔から言われてきたことです。
今のように木を乾燥させる機械など無かった昔は天然乾燥しか方法がなかったわけですから、生材の状態で木を見て製材して(昔は木挽きでゆっくりと製材)、動きや割れを予測して適材適所で一枚板などの無垢材を使ってきたのです。
それには樹齢の高い木をなるべく使って樹齢に比例した分だけ用材として木にとって第二の寿命も同じくらいあったと言われています。
今回は一枚板を選ぶときのポイントとして説明しましたが、私が市場での仕入れや普段一枚板を見るときのポイントや考え方をいくつか書いたつもりです。
一度にすべて覚えるというより優先順位をつけて、まずは「芯が入っていない一枚板を選ぶ」といった感じで見てすぐに判断できるあたりから覚えていくと良いかもしれません。
乾燥と含水率も一枚板を選ぶ上ではとても大切なことなのですが今回の話は一枚板をいろいろな視点から見ることで動き(反りや割れ)をある程度予測することができます。
たくさん一枚板を見て触れていくことで、もっともっと一枚板や無垢材が好きになっていったらいいなと思います。
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一枚板や木材、建築のことで、みなさんがお持ちの素朴な疑問や質問に私の今までの経験からお答えできることもあるかと思います。
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一枚板はこんな風に使われています【一枚板の作品&使用事例】
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