杉の赤身一枚板を経机の天板にしました。

経机の製作

まずは天板です。

長さ90㎝の杉一枚板です。

素材の状態で

木目の感じがなんとなくで

雰囲気がかろうじてわかる程度です。

樹齢の高そうな杉の木で

杢の動きもあります。

しかも赤身の一枚板です。

この一枚板をプレーナーで

削っていきます。

杉赤身一枚板をプレーナーで削る

乾燥はカラカラで

動きもほとんど見られません。

とてもスムーズに削れていきます。

削りあがりました。

想像以上に

上品で

かつ躍動感があります。

経机の天板には最高の一枚です。

経机の材料

材料はいろいろ考えて

吟味しました。

白太だけのトチ材

鳥海山の2500年前の噴火で

火山灰に埋もれた神代杉(じんだいすぎ)

アフリカ産パドック材

北米産スプルース材

そして杉材です。

倉庫に眠っていた

スプルースの筆返し(ふでがえし)

筆返しは

床の間の床脇に

使われる違い棚(ちがいだな)の

上段の端に使われる部材です。

戦後の床の間材では

ケヤキや松が定番で使われていました。

スプルース材の筆返しは

珍しいです。

各材料の加工が

終わり、

これから組み上げになります。

神代杉も雲板の加工がされました。

とち板は純白材がなんとか取れました。

足元の杉材は

赤白の柾目材です。

パドック材の赤白が

小さいけれど

鮮やかなコントラストに

なっています。

組み上げが終わり

最終調整をしています。

オイル塗装

組み上がりました。

こじんまりとしていますが

存在感あります。

いつもの

植物油の自然塗料

オスモカラーで

塗装していきます。

もちろん

透明のクリアー塗装です。

塗装と解説動画です。

完成

経机

サイズ：600×350×270㎜

天板サイズ：550×350×25㎜

天　板：杉赤身一枚板
筆返し：スプルース材(北米産)
幕　板：神代杉(鳥海山埋もれ木)
前　脚：パドック材(アフリカ産)
後　脚：トチ(純白)
受け脚：杉柾目材(赤白材)

こちらは後ろ側になりますが、

正面にしても問題ないようになっています。

まとめ

経机の製作です。

杉の赤身の樹齢の高い

そして

杢が躍動していて

なおかつ上品な天板。

脚材などの部材などで

全部で

５種類の木材を使いました。

日本全国にある

身近な木である

杉材をメインに使いました。

杉材と言えども

天板に使われた

杢の躍動した赤身材、

鳥海山の2500年前の神代杉

足元ですが、

杉の柾目材を使い、

杉だけでも

これだけ表情の違う

3種になっています。

パドック材とスプルース材は

外国産で

アフリカと北米産になります。

そして後ろに控えていますが、

トチ材のとてもきれいな

純白材を板脚に使いました。

産地や時代を超越した

古今東西の

材料で製作できた

経机です。