杉の殿堂　秋田県銘木センターへ仕入れ

秋田の銘木市場へ

杉の一枚板を仕入れに行ってきました。

杉の原木は仕入れることは

していないのですが、

しばらく伐採制限で

出材が激減していた

天然秋田杉の原木が

出品されていて

土場が原木で埋め尽くされ

セリも活況で賑わっていました。

原木競りの風景

樹齢が高く、目の詰んだ天然秋田杉

珍しい杉の伐根

あまり見ることのない

杉の伐根(ばっこん)と言って

切り株の部分です。

大きな伐根が出品されていました。

伐根は木を伐採した残りの部分なので

長さがなく、ゴロっとしています。

歴史をさかのぼると

もともと天然秋田杉は

柾目に価値があり

杉の幹の部分が主材です。

木を切り倒した後、

地面に残った伐根は

これといった使用用途がなく

山に放置されていました。

大正か昭和の初期あたりに

地元能代の銘木業者さんが

試しに伐根で

腰板を製材したものを出品した際

関西の銘木業者に気に入られ

そこから爆発的に

人気が上がった経緯があったようです。

木目が交差して入り組んで

複雑な杢を形成する伐根から

格天井や腰板が製材されました。

室町時代の書院造りや数寄屋造りには

当時伐根から製材した

いわゆる根杢材は使われていなかったはずです。

意外と歴史は古くない根杢

最近は山の伐根を掘る業者さんが

老齢化なども影響して

少なくなっていて

根杢材も昔ほどは大量には

出てこなくなっています。

高樹齢の一枚板を求めて

今回の秋田での仕入れの目的は

樹齢の高い杉一枚板です。

何百点とある杉材の競りが進むなかで

目的の高樹齢の杉が

出展されているエリアの競りが

始まると

それを狙っていた全国の業者さんが

いたので

必然的に価格が上がっていきます。

そんな中、なんとか数枚

仕入れることができました。

樹齢500年の天然杉

樹齢500年といわれる天然杉

まだ年輪数えてませんが

納得できるほどの目細の一枚板です。

赤身の色も

ダークブラウン系の独特な

色合いで

存在感があります。

まとめ

今回の秋田銘木市場での

仕入れは

飛び切りの高樹齢一枚板との出会いが

目的だったので

樹齢500年といわれる

天然杉の一枚板がゲットできたことは

とてもうれしいことです。

製材してまだ間もない

一枚板なので、

しばらくの間

2～3年は乾燥させるように

なると思います。

乾燥後のプレーナー掛けで

どんな感じの一枚板になるのか、

そして

オイル仕上げ

今から楽しみです。

そしてこんなことも

秋田の銘木市場で

長年、杉を大量出品していた

銘木業者さんが昨年末に

銘木業を引退(廃業)されることになって

業界に激震が走りました。

その業者さんは

まだ天然秋田杉が豊富に

あった時代(20年ほど前)に

地元の天然秋田杉を

扱うのが当たり前と

いわれていた中、

どこよりも早く

全国の天然杉、巨木杉を

求めて集材していた

パイオニア的存在の業者さんでした。

そういった話を聞いて

誰もやらなかったことを

チャレンジしたことに

勇気づけられました。

長い間ありがとうございました。