オリーブウッドからカウンターとスツールを製作しました。

一枚板の仕上げ加工依頼

今回のご依頼は

お客様が持ち込まれた一枚板の荒木素材を仕上げる内容です。

遠方からのお問い合わせで

「自分で買った板を仕上げてもらえますか？」というお話しでした。

お客様がネットで購入した荒木素材の一枚板をこちらに送って

私達が加工作業をして、オイル仕上げまでをおこなう、というご依頼になります。

梱包されて送られてきた一枚板を開封

お客様が購入された一枚板は「オリーブウッド」という樹種でした。

オリーブオイルでも有名なオリーブはギリシャのイメージが有りましたが、

こちらのオリーブウッドはイタリア産の一枚板とのことでした。

一見すると

なんとなくブラックチェリーや日本のサクラに近い感じに見えました。

自然乾燥で数年間、自然乾燥されたとのことでしたが、

当初心配していた木の動きによる反りなどもほとんどなく、

とてもいい状態の一枚板でした。

一枚板をみてみると、

細かい割れなどは要所入っていたのですが、

一部ささくれたような割れがあり

パテ埋めでどのくらいまで補修できるか

ちょっと見えないところもありました。

木口からの割れ

反対側には大きな入り皮のような雰囲気ある割れもあり

お客さんとの打ち合わせで

どちらかをカットして長さを決めるようになります。

プレーナー加工で両面を削る

一枚板の両面を削って平らにしていきます。

現状の厚みが45ミリほどで、決して余裕のある厚みではないので

プレーナー加工であまり薄くならないように気をつけながら作業していきます。

プレーナー加工はCNC加工機で

ドリルビットで削り進めていきます。

まずは1ミリ単位で様子をみながら少しずつ削っていきます。

一枚板を返して反対側を削っていきます。

素材荒木ではすこし曖昧に見えていた、ささくれた割れがはっきりと現れてきました。

長さをカット

こちら側の割れたところをカットすることで

長さを決定することになりました。

両面プレーナー加工で削りが終わりました。

なんとか厚み40ミリを保てる仕上げになってホッとしました。

このオリーブウッドは動きが少なく

とてもいい状態で乾燥された一枚板だったと感じました。

ここからパテ埋め補修で割れや朽ちたところを補修作業と

耳仕上げ、全体サンディング、

そしてオイル塗装の流れで作業に入っていきます。

パテ埋め補修

ささくれた割れを瞬間接着剤とオガ粉を使って

パテ埋め補修していきます。

オガ粉はブラックウォールナットの削り粉です。

ちょっとここでパテ埋めに使うオガ粉の話し

パテ埋めのオガ粉は

同じ樹種のオガ粉を使ったり、同じ板から採取したオガ粉を使ったりして

過去いろいろ試した結果

自分たちがパテ埋めで表現する見せ方としては

ブラックウォールナットのオガ粉が一番しっくりくる感じだったので

メインで使っています。

パテ埋め補修でこのような見た目になりました。

あとはオイル塗装で最終的にどう映るか、

ここではまだわからないところですが、

この時点ではいい感じにパテ埋めできたと思います。

ここの大きく入り皮の割れたところは

当初カットする予定だったのですが、

雰囲気があって、切らずに残したことで

アクセントポイントになったように思います。

オイル塗装

今回のメインイベントになる

オイル塗装です。

オリーブウッドというとてもめずらしい樹種の一枚板が

オイル塗装でどんな木目が現れるのか

どんな濡れ色がでてくるのか

とても楽しみな作業になります。

塗り進めるたびに木目と特徴ある色が浮かび上がって

その美しさに引き込まれてしまいます。

反対側を塗っていきます。

実際はこちらが木表になります。

木裏面       

テーブルの脚の上に乗せてみました。

カットした端材を利用して

長さをカットする過程で出た端材を整えていきます。

端材にアイアン製の脚を取り付けて

スツールを作っていきます。

小さな端材はさらに整えて

表札サイズにまとまりました。

こんなに小さくなってもしっかりと存在感を出していて

オリーブウッドなかなかすごい木です。

お客様より

一枚板とスツールを出荷してしばらくして

お客様より、一枚板の画像とメールをいただきました。

今回はお客様からのご依頼で仕上げ加工をしました。

オリーブウッドという珍しい一枚板を

仕上げる機会をいただき、

わたしたちもこの木の魅力を知って

ファンになりました。

どのように仕上がるかわからない状況で

ご依頼いただいたお客様には感謝しかないですし、

メールや電話でのやりとり

完成に至るまでのお互いの理想やセンスも近いところで

スムーズに打ち合わせができて

おまかせさせていただくところも多く、不安もあったろうと思いますが、

喜んでいただけたようで安心いたしました。

書斎カウンターとしてお使いになるようで

オリーブウッドはオリーブオイルが取れる木でもあるので

ここから何年、何十年と使っていく中で

さらに深みが増してエイジングされていくことでしょう。

この度はお声を掛けていただき、誠にありがとうございます。

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一枚板はこんな風に使われています【一枚板の作品&使用事例】
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